さよなら風船ちゃん!

悲劇でした…風呂上がりで私も全裸だったからね…!

悲劇でした…風呂上がりで私も全裸だったからね…!

おじいちゃんがハートの形の風船を送ってくれました。それを、毎日毎日、気持ち悪いほど愛でていたごろな。朝おきたら、「おはよう!」とチューをし、腰に風船のひもを巻きつけて食事。トイレまで連れていく。風船ちゃん大丈夫かしらと、心配しながら学校へ。戻ってきたら「ただいまー!風船ちゃんは!?」

そんなある日でした。

風呂上がりに、また風船を持って裸でうろうろしていたごろな。ちょっとベランダに行ってくる〜…と、窓をあけたその瞬間…。

風船ちゃん、ゆらゆらと外に飛び出しました。

「ごろな!ごろな!風船が飛んでいくよ!!早くつかまえて!」

「あぁあっ!!!待って!待ってー!!!」

ごろなの必死のジャンプ。でも、その手をするりとぬけて、ふわふわふわりと空へ…そしてあっというまに遠くの山の向こうに小さくなっていったのです。まるで大きな神様の手の中に吸い込まれるように…。

「風船ちゃーんっっっ(号泣)」パジャマを急いで着てパパと外に飛びだしましたが、もちろん追いつくことなんかできずに…。

ごろな、家に戻って数年来の大号泣ですよ!!

泣いて、泣いて、泣いて、泣いて、しまいにはそのまましゃくりあげながら、行き倒れた姿勢で寝てしまいました。夜ご飯も食べずに。

私もパパも背中をさすることぐらいしかできずに、ごろながたっぷりと悲しみを経験するのを見届けたのでした…。

新しい同じものを買ってあげることもできるけど…でも、この喪失感をしみじみと体験することも必要なのかもしれません、滅多に、ないことだから。大人になっても、今日のこの悲しみを思いだすんだろうなぁ、それがまたごろなという人格の大事な一部になるんだ、と、目を真っ赤にはらせて眠ったごろなを見て思うのでした。