愛をふりまく次女と、不器用な姉

おめめがキラキラしている
コウメが、イタリア男のように愛をふりまいています。
何をしていてもすぐさま、「かか、だいしゅきだよ」をはさんでくるのです。
ご飯をたべている最中でも、トイレの最中でも、ちょっとした隙にすぐ「かか、だいしゅきだよ」。
私にだけでなく、ごろなにも、です。眠りに落ちそうなごろなの手をにぎって、「おねえちゃん、だいしゅきだよ…」朝おきてきたごろなのおなかにピタっと寄り添って「おねえちゃん、だいしゅきだよ…」そんなコウメにごろなはメロメロ、何でも言うことを聞く下僕と化しています。
…これが、このところ、都合良く使われ始めました。
例えば、「もっと!もっとゼリーためたいの!」と駄々をこねるので、私がふきげんな顔で「ほら!これで最後だよ(怒)」と渡したとたんに、「かか、だいしゅきだよ…」
コップの水をばーっとこぼして、「ほらーっ歩きながら飲むからだよ(怒)」と叱ったとたんに、「かか、だいしゅきだよ…」
何でも許してもらえる魔法の言葉だと思っているようですね。
…確かにそうだけど。
本当に、次女は世渡り上手です。
一方、不器用な女、ごろな。
近頃では、私にベタベタ甘えることも少なくなりました。ムチューしようとすると、嫌な顔で避けられます(本当は嬉しいくせに!と私は思ってますが)。
それでも、私がコウメをかわいがっていると、さみしそうな目でこっちを見るのです。
「ごろなのことが一番にきまってるでしょ!ごろなが一番最初の一番大事な子なんだから!」と、コウメがいないときにたくさん言うし、しょっちゅうくっついてはいるのですが。
コウメはコウメで、「かか、コウメがいっちばんしゅき?」と聞いてきます。「コウメは、かかでー、おねえちゃんは、パパ、ね」だって。
ふーむ、こういう問題がでてくるのね。
兄弟が増えて、物心ついてくると、気遣いも増えるものだなぁと思うのでした。